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つん 今日も「あなぐまち」で生きていく

つん 今日も「あなぐまち」で生きていく

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人間も生き物も、目に見えるものも見えないものも等しく生命(アニマ)を与えられた「あなぐまち」の住人たちとその世界

熊本県菊池市龍門アーティスト集合スタジオを拠点に活動する「つん」の個展を開催します。

つん(1981年、福岡県北九州市生まれ)は、10年前から「あなぐまち」と名付けた「まち」を制作しています。
「あなぐまち」を構成するのは、段ボールで作られた「団地」です。
同じような外観の一般的な団地や集合住宅は、均一性や匿名性の象徴のように見えますが、そこで生きている人々に目を向けるとき、その印象は一変します。
さらに、つんの眼差しは人間だけでなく、石ころのようなごく平凡なものや目に見えないものにも向けられます。「800世帯」におよぶ小さな部屋の一つひとつには「くつした」や「レジャーシート」「ゆげ」などの「住人」がいて、それぞれに「住民名簿」があります。

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つん《今日も「あなぐまち」で生きていく》2023年/ 第27回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)展示風景(川崎市岡本太郎美術館、2024年)
画像提供:川崎市岡本太郎美術館

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多岐にわたる素材はすべて、私たちの身近に存在するものです。
制作時に出た段ボールの端切れでさえ集められ、作家はその泥団子のような塊を「赤ちゃん」として慈しみ、新しいかたちを与えます。
モノクロームの団地は、作家のこれからの人生をあらわしており、そこにすべて色が与えられるのは、作家自身が生を終えるときだと、つんは言います。

あなぐまち」という名前は 「たまのかのたいてきなまち」に由来します。
それは幼少期よりつんが心の拠り所としてきた空想の世界でありながら、作品として生み出され、作家の生と分かちがたく結びついた現実の存在でもあります。
人間も生き物も、目に見えるものも見えないものも等しく生命(アニマ)を与えられた「あなぐまち」の住人たちとその世界は、誰一人拒絶することなく受け入れます。
そして、その愛らしい表情の奥には、「現代美術」という枠組みを超えて、生と死そして芸術という人間の根源的な営みそのものに迫る切実さを宿しています。

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「つんとあなぐまち展(後編)」(Mori no Ki、熊本、2023年) 展示風景
Photo:Tomoki Okamatsu  Courtesy of the artist

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本展の見どころ

1. 第27回岡本太郎賞受賞作家、つんの国内外美術館での初個展
2024年春、第27回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)のグランプリにあたる岡本太郎賞を受賞したばかりのつん。本展が18年にわたるキャリアの集大成、そして次のステージを予感させる国内外美術館初の個展となります。

2. 高さ約5メートルの壮大なインスタレーション《今日も「あなぐまち」で生きていく》(2023年)を九州初公開
岡本太郎賞受賞作品として川崎市岡本太郎美術館で初公開された高さ約5メートルのインスタレーション《今日も「あなぐまち」で生きていく》(2023年)を中心に、絵本原画や新作ドローイング、不知火美術館・図書館の空間を活かしたサイトスペシフィックな展示を展開。
ダイナミックなインスタレーションと、個性的な「あなぐまち」の住人たち一人ひとりへの繊細な眼差しが共存し、大人も子どもも強く惹きつける魅力的な世界が広がります。
そして、「現代美術」という枠組みを超えて、生きることと作ることが結びつく芸術の根源的な意味へと私たちを導きます。

3. 誰もが創造性を育み発揮する――不知火美術館で、身近な素材を使った創作を体験
展示期間中には、つんによるワークショップをはじめ、年齢を問わずアートを体験できるイベントを開催。段ボールやその端切れなど、身近な素材を用いて新たなかたちを生み出すつんの作品がインスピレーションとなり、眼だけでなく手を実際に動かして展覧会を体験することができます。

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「あなぐまち」とは、作者がずっとともに生きてきた「まち」の名前である。
その意味で正しくは「作品」を超えたものかもしれない。
しかし作者の手で作られたものであることも確かだ。
作者が作った作品が、作品であることを超えて作者そのものになっていく。
ここにはそう実感させるだけの現実味がある。

椹木野衣(美術批評家・多摩美術大学教授)第27回岡本太郎現代芸術賞審査評より

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アーティストプロフィール


Photo: Masaaki Oyamada 

つん
1981年福岡県北九州市生まれ。2004年成安造形大学デザイン科イラストクラス卒業。
現在熊本県菊池市の龍門アーティスト集合スタジオを拠点に活動。10年前から「あなぐまち」と名付けた「まち」の制作を続けている。
2018年、第29回熊本アートパレードで、アートパレード大賞(熊本市賞)およびオーディエンス賞を受賞。2024年には、第27回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)のグランプリにあたる岡本太郎賞およびオーディエンス賞を受賞。同年、川崎市岡本太郎美術館「第27回岡本太郎現代芸術賞展」で受賞作品《今日も「あなぐまち」で生きていく》(2023年)を発表。

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つん《チュッチュ》2024年  Courtesy of the artist

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関連イベント
*詳細については当館ウェブサイトおよびSNSにて随時お知らせします。

つんによるギャラリートーク
7月13日(土)15:00~15:30
会場:展示室
定員:20名
料金:無料(要展覧会チケット)
受付:申し込み不要、当日先着順

ワークショップ「コマ撮りアニメを作ろう」
7月20日(土)、8月11日(日) 14:00~15:30
会場:アトリエ(大)
定員:8名
対象:小学生以上
料金:無料
持ってくるもの:スマートフォン・タブレット・PC(カメラ機能付き) のいずれか
撮影したい対象があればご持参ください。
受付:6月25日からカウンターまたはお電話にて

ワークショップ「ダンボールのお花で花束を作ろう」
8月18日(日)①10:00~12:00 ②13:00~15:00
講師:つん
会場:アトリエ(大)、展示室
定員:10名
対象:5歳以上、未就学児および低学年は保護者同伴
料金:無料
受付:7月1日からカウンターまたはお電話にて


つん《菜の花》2022年  Photo: Masaaki Oyamada 

アーティストトーク
9月1日(日)14:00~15:00
会場:ブック&カフェエリア
定員:20名
料金:無料
受付:8月1日からカウンターまたはお電話にて.

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会期:2024年7月13日(土)~ 9月16日(月・祝)
開館時間:9:00~18:00/土曜日は21:00まで/会期中無休
入場料:大人300円、高大生200円、中学生以下無料
*チケットご提示で期間中、何度でも入場可能
※20名様以上の団体は2割引、※障害者・戦傷病者の各種手帳の交付を受けている方及びその介助者の方は半額
※後期高齢者医療被保険者証の交付を受けた市内在住者は半額

主催:宇城市不知火美術館(指定管理者 カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社)
企画:田中雅子 (キュラトリアル・アドバイザー)

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