2024年12月15日(日)~2025年1月26日(日)開催予定の「蒙古襲来絵詞のリアル ―海底に残された元寇―」展の関連企画として行う本企画では、750年前、まず初めに元軍が海から対馬へ襲来したことに着目し、対馬で活動しているアーティスト・小宮翔を紹介します。
日本で最も漂着ゴミが多い島である対馬。
この島に生まれ育った小宮は、海洋ゴミをふくむ海からやってくるさまざまなものに、新たな命を吹き込み、ものづくりを行なっています。
本展では、当館のブック&カフェエリアの空間を活用し、近世ヨーロッパで見られたさまざまな珍品を集めた「驚異の部屋」の現代対馬版をイメージし、小宮が対馬の海や山で収集したもの、またそれらのものに手を入れて制作した作品を陳列します。
小宮は、廃材や漂着物をめぐる自身の活動を「ひとつの役割を終えたもののそのあとの、予期せぬ出来事のような物語を作り出すこと」と表現します。
自然と人工の間にあるような小宮のコレクション/作品は、従来の博物館や美術館に展示されているものとは異なります。
しかし、そこには生命や人間の営みの、過去・現在・未来が凝縮されているようです。
私が生まれ育った対馬は、韓国の建物が肉眼で見る事が出来るほど、大陸にとても近く、蒙古襲来時はじめに元軍が上陸した土地として知られています。
四方を海に囲まれたこの島で、領土や資源をめぐって侵略と抵抗の苛烈な争いが繰り広げられました。
それから750年の時が経ち、世界は大きく変化しました。
海はいまも変わらず喜びや悲しみ、そしてそれ以外の何かを波に乗せて運んで来ます。
今回ご紹介する展示物は、対馬に住む私自身が見つけて集めた、海にまつわるコレクションの一部です。
ほとんどは廃棄物ですが、もともとは何かの役目を持ちこの世に生まれたものたちです。
私の仕事は、ひとつの役割を終えた漂流物のそのあとの、予期せぬ出来事のような物語を作り出すことかもしれません。
皆さんにもぜひその物語を想像し、楽しんでいただけると幸いです。
小宮翔
小宮 翔 (こみや しょう)
対馬市上県町出身。廃材、漂流物作家。元歯科技工士。
2015 年から福岡から対馬に戻り、シルバーアクセサリーや DIY でモノ作りを始める。
幼少期に親しんだ海岸に年々増え続ける海洋漂着物や影響を受けた生態系の変化に危機感やインスピレーションを覚え、廃材、漂着物作品の制作を開始する。
小宮翔 海からやってくるものたち
「蒙古襲来絵詞のリアル ―海底に残された元寇―」展関連企画
会期:2024年12月15日(日)~2025年1月26日(日) ※会期中無休
開館時間:9:00~21:00
会場:不知火美術館・図書館 ブック&カフェエリア
入場料:無料
主催:不知火美術館
企画:田中雅子(キュラトリアル・アドバイザー)
関連イベント
12月1日(日)よりカウンターまたは電話(0964-32-6222)にて受付
※キャンセルの場合はあらかじめご連絡ください。
アーティスト・トーク
小宮氏の作品を実際に見ながら、対馬での生活をお話いただきます。
日時:2025年1月18日(土) 14:00~15:00
会場:ブック&カフェエリア
定員:20名
参加費:無料
ワークショップ ガンガゼランプ作り
対馬のガンガゼ(ウニ)の殻と宇城の海岸の流木などで照明を作ります。
日時:2025年1月19日(日) 13:00~16:30
会場:アトリエ(大)・若宮海水浴場
定員:10名
対象:小学生以上(小学生は大人の付き添いが必要です)
参加費:1,500円
※ワークショップにご参加の方は、アーティスト・トークにもご参加が必要です。
※アーティスト・トークのみの参加は可能です。
※海岸にはバスで移動します。12:50までに美術館カウンターにお越しください。
バスの乗車可能人数に限りがあるため、予約1枠につき、付き添いの方は1名までとさせていただきます。
※温かく汚れてもいい格好でお越しください。